深夜に英語会議に呼び出されて赤ちゃんになってきた

午前0時にいきなりteamsのWeb会議の召集が掛かってきたので参加したらおれがほとんど関わっていない仕事の英語会議でした。こんな最悪の異世界転生あるか?

 

仕事を終え、レモンサワーをあおりながら優雅に退勤後の時間をAPEXとかいう大量ストレス&人生破壊ゲームで浪費していた折、いきなりteams会議の召集がかかった。

担当者と電話が繋がらない為におれが雑に一次対応をしたシステム障害についての対策会議だったようだ。相変わらず担当者と連絡が取れない為おれが呼び出されたらしい。

おれはそのシステムについての理解はほとんど素人同然で、それこそ会議に呼び出した所で赤ちゃんが会議に参加しているようなものなのだが、仕方ないので参加することにした。

 

 

参加者を見るとほとんどの参加者が外国人だった。急に大量のアルファベットが視界に入ってきて困惑したおれは、何はともあれ一言「ハロー」とだけ言い残し、光よりも早く自分のマイクをミュートした。

この英語会議に対するビビり加減から察せる通り、おれは英語がすこぶる苦手で、1ヶ月間本気で対策をして望んだTOEICでは500点しか出せなかった。大学5年生の時に受けたので、だ。

 

「心を閉ざそう」

 

おれは英語会議に何かの間違えで巻き込まれた時は、いつもそう考えるようにしている。心が開いているから、会議で何も喋れない情けなさや、会議の内容を理解しようという焦りを感じるのだ。心を閉ざせば良い。限りなく英語のように聞こえる川のせせらぎだと思えば、英語会議など屁の突っ張りもいらない。

 

 

そう決心した矢先、その会議に参加していたおれの上司が突然

 

「kokimu(仮名) san, do you have any comment?」

 

と、おれにエニーコメントを求めてきた。

 

突然のコメント要求に全身が粟立った。コメント・・・?は・・・?おれはただランクマで勝ちたいだけなんだが・・・?

しかし上司から振られたコメント、他の参加者もおれのコメントを聞く為に黙っているこの状況、ダンマリを決め込むにはあまりにも分が悪い。

 

やるしかない・・・イチかバチかそれっぽいことを言うしかない。

レモンサワーでレモンになった脳をフル回転させてコメントを捻り出す。

 

 

「I don't have comment.」だ。これで行こう。

これならなんか相手もそれ以上踏み込めないし、会議の流れも切らない。

 

そう決心してマイクのミュートを解除し、渾身のI don't have comment.を放つ。果たしてお前らにこれが避けられるかな?

 

放った後、しばしの沈黙。

やったか・・・?

 

通信ラグにしては長すぎる沈黙の後に上司が口を開いた。

「Oh terrible noise...I muted him...」(多分こんな感じだったと思う)

気づくと、おれのマイクはおれのが操作していないにも関わらずミュートになっていた。

 

ハッ・・・!これは・・・!

 

社用PCに接続している自分のイヤホンを見る。

これつい最近洗濯した奴だ・・・

 

これは・・・生き残ったか・・・?

マイクトラブルともなれば相手も無理にコメントは振れない。

相手はノイズに耐えながらおれの英語を聞くか、おれを最初から存在しない物として会議を進行する二択しかない、この二択で前者を選ぶようなバカは社会人にはなれない。

 

おれは勝ちを確信し、レモンサワーの2本目を開けた。会議は進行しているが、もうおれには関係ない。おれのプライドと精神衛生はノイズによって守られた。

 

その後、おれの存在を黙殺した会議は非常にスムーズに進んだ。

日本人の上司と海外担当者が互いに流暢な英語で、状況確認をしていた。

 

なるほど・・・

これは・・・

 

この会議におけるノイズは、おれか・・・

 

完全に全てを理解したおれは、深く考えるのを辞めて残ったレモンサワーを飲み干した。

おれは少しだけ泣いていた。

 

私立パコパコ女子大学 大学特定スレPart1

私立パコパコ女子大学というセクシービデオのシリーズがあります。

 

「濱口女子大学」という深夜番組のパロディセクシービデオで、色んな女子大学の前にテント付きトラックを止めて、そこで女子大生に声を掛け、テントの中で「性のお悩み」を聞いていくという趣旨の作品です。

当然、セクシービデオなので性のお悩みを聞くのにとどまるワケもなく、一通り性のお悩みを聞いた後は、性のお悩みなどお構いなしに滅茶苦茶にセックスをしていきます。

 

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彼氏とセックスレスの人だろうが、逆に不特定多数と遊び過ぎてしまうことが悩みの人であろうが、どんな悩みであれ最終的には十把一絡げにセックスでお悩みを解決してしまう、最悪のアンパンマンみたいな展開が非常に豪快で魅力的なこのシリーズ。

その大味な印象とは裏腹に、女子大生に声を掛けてテントまで誘導するシーンや、女子大生のお悩み相談コーナーなどはかなりのリアリティのある仕上がりとなっており、「本当に女子大生が出演しているのではないか?」と思わせてくれるような臨場感が非常に好評です。ぶっちゃけクソほど抜けます。

 

このシリーズ、実は毎回ビデオの冒頭にこんなカットが用意されているんですよね。

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こちら、「【乳デカ文系美少女】W大講堂で見つけた服の上からでも分かる巨乳ちゃん⇒3浪して入学。どうりで童顔の割に落ち着いた雰囲気⇒恋人も不要とか達観した人生観⇒しかし浪人中に経験したハンパない性体験にドスケベ発覚!⇒男日照りの弱みにつけ込みおっぱいタッチ&Go!SEXの巻:私立パコパコ女子大学 女子大生とトラックテントで即ハメ旅 Report.077」の冒頭のカットです。みなさんどこの大学かわかりますでしょうか?

Wから始まる大学というと、和歌山大学早稲田大学和光大学などいくつか候補が挙がりますね。しかし「誰もが羨む超名門」ということなので、和光大学は疑う余地なく候補から除外出来そうです。

 

本編を見てみると、大学周辺を映したカットが出てきます。

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このモザイクが切れている部分にうっすら写っている建物。こちらはおそらく成文堂ですね。法学系のテキストを出版している他、早稲田大学の指定教科書販売所だったりしてます。

 

別のカットではガッツリ建物名や店名が映り込んでいる部分もあります。

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けやき薬局と第一石川ビルの並びがあります。Googleで場所を検索してみましょう。

 

 

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はい特定です。早稲田周辺の薬局なので、この作品に出てくる「W大学」は早稲田大学で間違いなさそうです。

 

と、言うように。

こちらのシリーズなんと、

 

オナニーだけでなく謎解きも楽しめてしまうんですね!

 

ドスケベの松丸君みたいですね。今回の記事では、「私立パコパコ女子大学」を見て、作品内で登場する大学を特定し、その大学に思いを馳せながらセンズリをコいていこうと思います。

もう同世代には家庭を持っている人だっているというのに、なんで僕はこんなことをしているのでしょうか。お母さん、僕は子供を抱くはずだった手で下品な記事を書いてインターネットに公開しようとしている不孝者です。

色々さておき、今回例に挙げたW大学は、いくらなんでも問題が簡単過ぎたと思うので、次からは僕が所有してる私立パコパコ女子大学シリーズの中から、難しそうなのを選んで挑戦していきたいと思います。

 

 

第一問

少人数ゼミが充実の「M大学」

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こちら、「【ほぼ処女!?初チ●ポ??】初恋は8歳の時、同級生の女の子と!?可愛い女の子LOVEなロリ顔ビアン女子大生の好きなプレイは貝合わせ!ビアンの性事情告白!⇒彼女を喜ばせる為、テクを磨きたい!⇒一流AV男優のタメになる性技レッスン開始⇒初異性にビクビク痙攣腰くだけ!?⇒初生チ●ポを口いっぱいに頬張った後はほぼ処女マンに祝姦通!男でしか満たせない悦びトコトン全部教え込んじゃうぞ~の巻!:私立パコパコ女子大学 女子大生とトラックテントで即ハメ旅 Report.037」からの出題です。最悪な平成教育委員会みたいな導入ですみません。

この時点では情報量が少ないですが、『1年生から少人数ゼミが必修科目』というのがヒントになるでしょう。みなさん答えはわかりましたか?

折角の少人数ゼミが青春エロドリーム目的みたいな言われ方をしていてカリキュラムを組んだ担当者があまりにも浮かばれないですが、もう少しシークバーを進めて、特定を続けていくとしましょう。

 

少し進めると場所のヒントになりそうなカットがチラホラ。

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都内だとあまり見慣れない「FLEXSTAY INN」というホテルが割と特徴的でしょうか。2枚目の写真に写っている「理容 星野」なんかも特定に役立ちそうです。

 

実際に「理容 星野」を調べると検索結果にドンピシャなものが。

どうやら江古田駅周辺にある理髪店のようです。

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同じ地図内には「フレックステイイン 江古田」とも書かれています。M大学は江古田周辺に存在している可能性が濃厚になってきました。

江古田周辺にある大学となると、日本大学武蔵大学武蔵野音楽大学あたりなので、「M大学」武蔵大学武蔵野音楽大学になりそうですね。

2つまでアタリを付けれたので、試しに武蔵大学のホームページを覗いてみましょうか。

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画像左上を見ると「ゼミの武蔵」とありますね。1年次からスタートするゼミなど、ゼミに特徴のある大学のようです。

冒頭のカットで言及されている通り1年次から始まる少人数ゼミが特徴ということで、M大学の正体は武蔵大学で確定のようです。

それにしても1年次からゼミって凄いですね。僕も武蔵大学に入っていれば学部で友達が作れたのかな、なんて考えが頭をよぎりますが、武蔵大学に入るくらいなら学部で友達出来ない方が全然良いですね。

 

さて、特定も済ませたことですし、御託はさておきボチボチ本編でヌいていきます。

出演しているセクシー女優はNIMOさん(旧: ももき希)ですね。

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金髪でガリガリのホストっぽい彼氏を飼っていそう顔をしています。講義が始まる前はクソほど騒ぐ分際で、いざゼミが始まると一切発言しないで後ろの方の席でダッチワイフみたいに黙ってそうな雰囲気がありますね。

 

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どうやら武蔵大学には「処女食い専門ヤリサー」が存在するようです。本編だとM大学とボカされていますが、武蔵大学だと思ってこの話を聞くとメチャクチャ面白いですね。江古田みたいな場末でヤリサーをやるのは結構覚悟が必要そうです。

 

エッチなシーンもちょっとだけ掲載。設定とは言え、やはりここまでリアリティにこだわっている作品だと、竿を握る手にも熱がこもりますね。

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ふむ・・・

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抜きたくなった人のために購入ページのURLを貼っておきます。

https://sp.mgstage.com/product/product_detail/SP-300MIUM-198/

 

第二問

学生の主体性を醸成するB大学

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こちら「【エロ過ぎる美脚】スーツがエロい就活生のことみちゃんは華やかな見た目と違って友達も少なきゃ超心配性の生真面目JD!?⇒話し込むこと40分!やっと聞けた性の悩みで彼氏への不満が大爆発!&H大好きツンデレキャラと判明!⇒スタッフが仕掛ける疑似エロ体験に戸惑うものの体はずーっとビックビク!⇒最終的には『気持ち良い』連発で声を抑えられない上、自らち○こを握って挿れてとおねだり始めたよ!!??の巻:私立パコパコ女子大学 女子大生とトラックテントで即ハメ旅 Report.072」からの出題です。

みなさんもうイチイチタイトルなんざ読んでないと思うんですけど、読んでみるとちゃんと勃起できる文章なので、しっかり読むことをオススメします。

それにしても、「友達や彼氏が忙しいと悩みを相談したくても中々言えないよね??そんな時こそ我らの出番!」ってどのツラ下げて言ってるんでしょうね。どうせダルそうにインタビューして後はセックスするだけなのに随分な態度です。

現実世界でも男性が女性の悩みを好き好んで聞く時なんて、将来のセックスに向けた種蒔き程度にしか思ってないので、逆にこの辺はリアルかもしれませんね。

 

ちなみに今回出演しているセクシー女優は水原乃亜さんです。

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1997年生まれなので、この作品に出演する時はちょうど大学生が就活をするタイミングの年齢でした。クソ大雑把な展開と裏腹に色んな所を細部までトコトン作り込んであるのが、このシリーズの魅力のキモなのかもしれません。

 

さて、本題の特定作業に戻ります。

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ヒントが出ているのはこの辺りのカットでしょうか。

「デイサービス本郷倶楽部」や、おそらく居酒屋だと思われる「毅畑」からおおよその地域は特定できそうです。また、3枚目の大通りのカットでは標識に「向丘」とうっすら書いてあるように見えます。

 

実際に地図を見ていきます。

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先ほどの「毅畑」ですね。さてここから特定を進めて、と言いたい所でしたが、驚くほどあっさりそれっぽい大学が見つかってしまいました・・・・

「毅畑」の最寄り駅の東大前に、Bから始まる文京学院大学 本郷キャンパスがありますね。そもそも、Bから始まる大学は都内だと文化学園大学文京学院大学しかありません。

ですので、この作品に登場するB大学は皮肉にも東大前駅に校舎を構えてしまった文京学院大学で決まりですね。特定に全然歯応えがありませんでした。

マジの目と鼻の先に東京大学があるの、ホントにしんどそうですね。女の子とかは自分の大学のサークルなんか目も暮れず全員東大のインカレサークルに入ってるんでしょうね。中途半端に東大生の友達が多い女にゼミやら授業やらでマウント取られて渋い顔してる男子諸君の顔が目に浮かびます。もう殴っちゃえばいいのに。

 

話は脱線しました。特定こそ山場なく終わってしまいましたが、今回の記事において、大学の特定はあくまでひとつの過程に過ぎません。一番重要なのは大学名を踏まえた上で、その女子大生の半生や受験期の過ごし方に思いを巡らせながらヌくことです。みなさんのために購入サイトのURLを貼っておきます。

 

 

以下、少しだけ本編の紹介です。学長の挨拶も添えておいたので、建学の精神に思いを馳せてみてください。

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学長もご満悦です。

 

 

おわりに

 

女子大生って「マ◯コ付いてないです」みたいな顔した物静かな女の子が一人暮らしの彼氏の家でハチャメチャにエッチしてたりしますよね。

 

いきなりすみません。何が言いたいかと言うと、大学って教室の最前列で真面目に授業を受けている大人しそうな子だったり、箱入りっぽい優等生の子だったり、高校までは彼氏がいなそうだった女の子達が、当たり前のように彼氏とセックスをしていて、でもそんなことなんておくびにも出さずに、また次の日も教室の最前列で授業を受けたりしているワケです。

僕はあんまり上手に大人になれなかったので、女子大生のそういう二面性や、何らかのスイッチが切り替わる瞬間をすごくおそろしいと感じる一方、とても艶かしく思うんですね。

私立パコパコ女子大学というシリーズは、そんな女子大生の「表」の部分を前半のインタビューパートで描写しつつ、徐々に徐々に「裏」の姿を暴いていく構図が非常に見事な作品です

ありがちな「女子大生」という設定を、よりリアルに感じられるよう各カットで丹念に肉付けしていくことで、ただのフィクションに過ぎなかったセクシービデオをドキュメンタリーにまで昇華させていますので、皆さんも是非ヌいてみてください。

旧作とかだったら大体一本1,000円くらいで買えますし、よくセールとかもやっているのでたまに500円とかで買えたりします。ドキュメンタリーにAVも付いてくると思えば、非常に良心的な価格ですね。

他にも紹介したい作品はありますが、ひとまず今回はここまで。

 

そして大学生活は2度目の終わりを迎える

 

自分にとって、大学は夢のような場所だった。

毎日昼に起きてはダラダラと登校し、授業の時間は適当にTwitterを観てやり過ごす。

授業が終われば用もないのにサークルの部室に赴き、偶然居合わせた友人とそのまま居酒屋に駆け込み、サークルの同期のくだらないゴシップやバイト先で会った変な客の話をして、終電で家に帰って、また昼まで寝る。

 

やりたい事だけやっていればよかったし、やりたくない事は何一つやらなくても良かった。

何か考えているフリをしながら、何も考えないで過ごしていれば、何もしないでも自動的にそれなりの肩書きを世間に付けてもらえた。

 

僕は親と世間から頂いたモラトリアムを何かに費やすだけの目的意識もなかったので、専ら自由は暇へと転化されて行った。

暇だと人間は色々おかしくなる。自分の大学生活を振り返ってみても、親のスネを齧っている分際で煙草を吸ってみたり、悪ノリで居酒屋の店員を困らせてみたり、たかがサークルの中で歳上というだけで、後輩達に傍若無人な振る舞いをしたりと、とにかくイタい行動が多かったように思う。

 

思い返せば恥ずかしさで顔を覆いたくなるような出来事ばかりだったが、どう考えても楽しい思い出の方が圧倒的に多かった。サークル内で誰が付き合ったとか、今度の追いコンは絶対に成功させようとか、そんなスケールの小さい出来事に熱中したり、一喜一憂したりする時間がたまらなく愛おしかった。

 

 

そんな大学生活が、社会人3年目を迎えんとする今年、いよいよ終わろうとしている。

 

こと人間関係において、社会人と大学生の区切りは意外にも甘いもんで、社会人1年目の時は大学時代の友人と頻繁に飲みに行ったり、サークルの行事に顔を出したりしていた。

「社会人になった」という事実にフタをするように、僕はまだ大学生なのだと天に向かって宣うように、毎週のように友達と飲んでいた。

 

サークルの行事にみんなで予定を合わせて顔出して、終わった後はOBだけで集まって居酒屋に直行。「自分ら老害だよね〜」なんて擦り尽くされた枕詞を皮切りに、昔のように他愛もない話をする。

大学時代に使っていた居酒屋に行って、大学時代に頼んでいたのと同じメニューを頼んで・・・今思い返すと、自分が「大学生じゃなくなってしまわない」ように、大学時代の余熱を使って必死に大学生の真似事をしていたように思う。

 

 

しかしどうやら、その余熱がとうとうエネルギー切れになってしまったようだ。

 

最近、大学時代の友人と会う機会がめっきり減った。

別に減らそうと思っていたワケではない。仕事や生活に支障のない範囲で会えるチャンスがあれば積極的に遊ぶようにしているし、人間関係に嫌気がさしたワケでもない。ただ単に、都合が付くタイミングと、都合を付ける機会そのものが減った。

 

友達と遊ぶためには当然友達が必要となるが、同期も皆社会人なので当然都合の付くタイミングが減る。

週7日間ヒマで、どうやって楽しくヒマを潰すかに腐心していた大学時代に比べ、社会人は休日の残機が土曜と日曜の2機しかない。

そんな数少ない残機で、自分の趣味や恋人、済ませなければならない用事など、人生を取り巻くアレコレにどれだけの時間を割くのか、上手いことやりくりしていかなければならない。

そうなると皆自ずとフットワークは重くなる。少なくとも大学時代のように、思い付きで飲みに誘ったり誘われたりして、2時間後には居酒屋集合、なんでことができなくなる。

 

 

友達と遊ぶための友達を探すだけでも、かなり骨が折れるようになった。

事前に予定を決めて友人と遊ぶ。人によっては当たり前に出来ることだったりするのだろうけど、少なくとも自分には向いていなかったようだし、それをしなくても済むコミュニティに所属できたのは、本当にただ運が良かっただけなんだろうな、と改めて思う。

 

 

コミュニティと言えば、「同じサークルに所属していた人」との関わりも随分減った。

飲み会でもよく話していたし、何度も遊びに出掛けたことがあるけど、二人でいるとちょっと気を遣わなきゃいけない、くらいの距離感の人との関わりがパッタリなくなってしまった。

元々その人たちとは積極的に関わっていたワケではないにしろ、「サークル」という共通項がなくなっただけで、ここまで関わりがなくなるものだとは正直思っていなかった。

サークルというキーワードで結ばれていた連帯がほどけて、繋がりの太い関係だけが残り、曖昧に繋がっていた人間関係が溢れ落ちた。

 

その結果、自ずとサークルとの関わりがなくなっていった。これが自分にとって決定的な転機になった。

少し前まで、社会に出てからもなんとか必死で大学生のままでいようとしていたのに、今ではその気持ちもスッカリ鳴りを潜めてしまった。大人になりたくないと、駄々をこね続けていたら、いつの間にか大人になっている。

今ではもうサークルの人々との関わりはほとんどないし、大学時代のように「サークル員」として在ることを諦めてしまった。今でも自分は依然として大人になりたくないし、一生大学生のままで居たいと心底思っているが、それが叶わないことを心のどこかで悟ってしまったのだと思う。

 

そこが、本当の意味で自分にとっての大学生活の終わりだった。きっと遅かれ早かれ誰にだってそういう転機は訪れるが、自分の場合コロナ禍が止めを刺した。

 

いや、既に還らない大学生活を終わらせまいと、見苦しくもがいている所を介錯して貰った、と言う方が正しいかもしれない。

もしコロナ禍がなければ、僕は自分自身の「まだ大学生でいたい」という気持ちの終わらせ時に迷っていたはずだし、その迷いはきっと想像以上に苦しいものだと思う。僕はおそらく、まだ大学生で居続けようとする僕に向けられる冷ややかな目線に耐えられない。

 

かくして、僕の大学生活は2度目の終わりを迎えた。1度目の終わりで大学生としての肩書きを奪われた。そして、2度目の終わりで大学生としての僕が決定的に終わった。

不思議と喪失感はなく、奇妙な納得だけがある。僕の大学生活は、僕が大学を卒業してからの2年間を掛けてゆるやかに終わったからだろう。2年間で、喪失を喪失と思わないように、悲しいことを悲しいことと思わないように、なだらかに終わったから、あれだけ終わって欲しくなかった大学生活が終わったというのに、取り乱さずにいられている。

 

 

一つ嫌なことを思い出した。

 

会社で飲み会をした時に、同期の女の子に「いつまで学生気分引き摺ってるの?」と言われたことがある。確か、酔った僕が下品な話題で空回りしてた時に言われた一言だった気がする。

学生気分を引き摺っていたのは本当のことだし、引き摺ってナンボ、大人になってたまるものかと思っていたくらいだったが、その一言は胸にズキリと染みた。

僕は勝手に、僕以外の社会人1年目の人たちも、皆大学生のままで居たいものだと思っていたから、彼女の言葉は凄く意外だった。と同時に、もう社会人として生きる覚悟が出来ている彼女が眩しく見えた。

 

自分だけが、大学生を辞めたくないと子供のように駄々をこね続けている間、彼女も、他の同期もスッカリ覚悟を決めて大人になっていた。そうやって前に進んでいく彼女らを見て、置いていかれてしまいそいうで、後から気付いた時には、巻き返せない程距離が空いてしまいそうで、凄く怖かったのを覚えている。

きっと彼女らは、大学の卒業と一緒に、大学生としての自分も綺麗に終わらせられたのだろう。僕も、2年遅れだがようやく同じスタートラインに立てた気がする。

 

 

大学生を辞めてみて良かったことと言えば、一つ大きな発見があった。

 

大学を卒業する直前(これは本当に卒業式を迎える直前の話)は、これからもう自分の人生に大学時代以上の楽しい時間はは訪れないのだろう、と考えていた。

その予感は概ね当たっているのだが、予想と少し違ったのは思った以上に自分がそれを耐えられないことだった。

自分は当たり前のように大学を卒業して、当たり前のように就職し、皆がそうしているように、当たり前に苦しいことの方が多い社会人生活を耐えられるものだと高を括っていたが、どうやらそうではないらしい。

 

自分は自分が思う以上に、自分が楽しいと思う人生を送りたかったようだ。

以前までは大学生という肩書きが、無条件に自分は楽しいと思う時間を提供してくれたが、今はそうはいかない。だから、大学生という肩書きに代わって、自分の人生を楽しくしてくれる肩書きを自分で見つけなければいけないらしい、ということを、大学生を辞めてみて初めて理解した。

 

陳腐でチープな言い方をすれば、「自分探し」というヤツだ。ただでさえ少ない余暇を費やして、他の大事そうなコトを沢山放り出して書いているこの文章も、そんな青臭い「自分探し」の一つだ。

何者かになりたいと燻って、それでも自堕落な自分を辞められない若人のこの世で一番恥ずかしいポエムだ。

 

それでも、大学生を辞めてみたお陰で、自分はこの何者かになりたいという小さな火種をなんとか消さずに済んでいる。きっと僕が大学生のままだったら、燻ることすらできなかった。

そしてその火種は、二度に渡って終わり、スッカリ死に体となった僕の大学生活を焼べられながら、今も静かに灯っている。

 

 

 

 

 

鬼滅が良いなら他も全部良いから

間違えて劇場版2回観た。

 

今世間ではまさしく鬼滅旋風。自分の周りでも、40超えた課長が飲み会でクソ面白くない鬼滅ネタを繰り出すのでウソの笑顔を無理くり捻り出してみたり、売れてるものだからとりあえず履修しとくかの感覚で読み始めてみると、別につまらなくはないけど超面白いワケでもなくて反応に困ってみたりと、順当に流行の濁流に巻き込まれている。

 

元々原作もアニメもある程度は追い掛けていたのだが、何故こんなタイミングでここまでの売れ行きを見せているのか、正直納得の行かない点が多い。

 

ワンピース、BLEACHNARUTODEATH NOTEが同時に連載していた時期のネウロやムヒョロジを想起させるような、良くも悪くもジャンプの中堅漫画という印象で、世間がなんでこんなことになっているのか付いていけないでいる。

 

劇場版が公開されて早2ヶ月が経とうとしているが、いまだに映画館ではPG-12というレーティングにも関わらず、親に手を引かれ、無限列車へいざなわれて行くマセたキッズの群れをお目にかかれる。ボクたちこれ深夜アニメだよ?

 

多分20年後の受験生は鬼滅のキャラの名前を暗記させられフルネームを漢字で書かせられているし、『竈門禰豆子』が漢字で書ける小学生は今頃クラスのヒーローで、多分足が速い奴よりもモテて童貞も捨ててるんだろうな。

 

原作を読んでいても、アニメを観てても、正直ここまでの評価される作品だとは思っていなかったし、今も思っていない。

 

これは果たして本当に作品が自分の好みと合わないのか、それとも持ち前の逆張り癖が作品を正当に評価することを妨げているのか、もう自分では分からない。そもそも逆張れそうな作品が好みなだけ、という可能性もある。

 

思えばワンピースもドラゴンボールも読んでいなかった。世間で定番とされている作品を読むことよりも、「クラスで自分だけが知っている面白い作品」を探すことに夢中だったように思う。

 

自分の人生には各所でこうした逆張り癖が故の奇行が見られる。中学生の時に大流行したモンスターハンターでも最初に狩猟笛を選んで練習していたし、カードゲームもデュエマや遊戯王ではなくデジモンのカードを好んで集めていた。カレーよりもシチュー派であることを豪語していたし、マックでも王道のチーズバーガー2個買いを邪道と断じ、頑なにダブルチーズバーガーを買っていた。

 

日常生活のあらゆるフェーズで、相手から「通だねえ」の一言を引き出すための言動を選択してきた人生だった。自分は運動もできなかったし顔も良くなかったが、人一倍目立ちたがり屋だったので、人と逆のことを言った時に自分に浴びせられる奇異の目線が、「お前は特別だ」と言っているようで、心地良くてたまらなかった。

思い返すと奇異の目線、というのも過去の自分の都合の良い解釈だったことに気付く。僕は逆のことを言っている人を見ると「逆のことを言ってんな」程度にしか思わないし、その人の言ったことを気にも留めない。

 

自分に自信がなかったからこそ、相手と違うことを言わなければ話を聞いてもらえないという強迫観念に常に追い立てられていた。そんな生活を25年続けて蓋を開けてみれば、主義もポリシーもなくただ世間と逆のことを思考停止で言うだけの、「でも〜」を接頭語にして話始めるのが癖になったヤバい大人が出来上がってしまった。

 

改めて、今まで自分は何人の優しい人たちに「個性的ですね」と無理矢理言わせてしまったんだろう。自分が他人に強要してきた数々の優しさのことを思うと叫び出しそうになる。

 

 

自分の逆張り体質がそういう経緯で出来上がった自覚があるからこそ、改めて鬼滅の刃を自分が面白いと思っているのかどうか分からなくなってる。良い大人の分際で、1万円以上身銭を切って集めた漫画のことを自分で面白いのかどうかすら分からなくなっているのが我ながら情けない。逆張りでインスタントに目立とうとした人間の末路はこうなる。

 

いっそ鬼滅が売れてなかったら迷いなく「今のジャンプだと鬼滅がアツいよ」ってしたり顔で言うことができたのに。きっと僕は自分が面白くないと思う人たちと同じ物を好きになりたくないんだろう。会社の上司や野球部出身の同期と自分自身が同じセンスなのだと思いたくないのだ。センスなんて上も下もなくて、ただ好むかこの好まざるかがあるだけなのに。

 

だから僕は毎回鬼滅の話題になるとついつい「鬼滅が良いなら他も全部良いから」なんていうつまらない水を差してしまう。なんかすごい恥ずかしい大人になってしまった・・・